ワールド・チベット・ニュース   2008年10・11・12月 第15号
カナダのワールド・チベットニュース(WTN)のご厚意によりご了承をいただき、その一部を転載しています
【チベット−中国会談】     
       11月5日/AFP(ダラムサラ)
 ダライ・ラマ法王が北京との対話には何の望みも持てないと言われた通り、チベットの将来に関するチベット外交使節団と中国政府との2日間に渡る協議は水曜日(11月5日)に終わった。ロディ・ギャルツェン・ギャリ、ケルサン・ギャルツェンと3人の補佐官は10月30日(木)北京へ出発したが、公式会合は11月4日(火)まで行われなかった、と匿名でチベット亡命政府の高官が語った。 協議は昨日朝 始められ、2日間だけであった、と亡命政府首相サムドン・リンポチェの事務所でその補佐官は語った。長期に渡る中国との対話(今回は8回目)を終え、使節団は亡命政府の所在地があるインドの丘陵都市ダラムサラに直に戻らねばならなかった。(後略)

【中国は3月にチベットで起きた騒動で55人を刑罰に処した】 
       11月6日/ニュヨークタイムス (北京)
 中国西部チベット自治区の首都ラサで3月14日に起きた少数民族の暴動により55人のチベット人が投獄判決を受けた、と中国国家報道機関新華社が報じた事を11月5日(水)中国の上級官吏が明らかにした。投獄の期間は3年から終身まで。新華社の報道ではダライ・ラマ法王の外交使節団が北京で中国政府とチベット問題やダライ・ラマの身分に付いて話し合われている最中になされた。 騒動では、チベット人により、ラサに居住し働いている中国人への攻撃が行われた。中国政府は中国西部の少数民族地域、特にチベットや新疆ウイグル自治区への中国人の移住を積極的に奨励しており、それがこれらの地方での職を求めて移住してきた中国人と地元人との緊張を引き起こす事となっている。 3月の騒動はチベット自治区及び他のチベット人地区、特に四川省への中国政府による弾圧を招いた。チベット人の人権や独立を支持するグループは修道僧や修道女をも含め拘留や処刑が行われたと報じており、この報道の幾つかは独立して確認されている。3月の騒動では、1317人が拘束されたが1115人がその後釈放され、18人の市民と1人の警官が無くなり、382人の市民と241人の警官が怪我をした、と新華社は11月5日(水)に報じたが、以前は騒動では22人が死んだ、と言っていた。亡命グループは騒動中ではなくその後の弾圧によりチベット人が殺されたと主張している。また、暴徒により120の家屋と84の車両が焼かれ、1367の商店が略奪にあい、経済損失は4千7百万ドルに及ぶと新華社は報じた。 中国政府は、「この暴動は8月に北京で開かれたオリンピックを混乱させようとして、ダライ・ラマが組織したものである」として非難している。ダライ・ラマ法王はその非難を否定。ここ数週間ダライ・ラマ法王はチベット問題についての中国政府の交渉の進捗の悪さに落胆をあらわにした。そしてチベット人は将来長く提唱してきた中道路線より独立を強く求める政策をとる事になるかもしれないと語った。

【将来を決める為、チベット活動家集まる】
        11月6日(水)/AFP(ダラムサラ)
 数十年に渡る中国によるチベット支配に対する闘争を変えるかもしれない協議に1週間の予定で亡命チベット人指導者が11月16日(日)に集まった。この会合はダライ・ラマ法王により召集されたものである。ダライ・ラマ法王は、より大きな自治権を確保する為に行ってきた中国政府との交渉は失敗であったと最近認める。彼は中国に関する全ての政治活動を見直す為に11月17−22日にフォーラムを催す事を要求、この呼び掛けは完全な独立を求めるチベット人グループを勇気付ける事になるだろう。会合では、自由で率直な議論を通してチベットの人々の現実的な意見を聞く事になる、とダライ・ラマ法王はダラムサラ到着後に語った。ダライ・ラマ法王は最近の現況への不満を発言し、北京から歩み寄りを勝ち取ろうとする試みはあきらめたと語った。さらに今月初め、チベットに独立より自治権を求める中道路線は失敗したことを認めた。 日本での公式会見で、今後どの様に進めていくかは人々に尋ねるしか他に方法はないと語った。また、11月17日(月)に始まる会合は、如何なる政治的決定や奨励に対しチベット亡命政府の承認を要求するものではないが、将来的な闘いに対するチベット運動のひとつとなるであろうとも。 8月に入院し先月胆石の手術を受けた後は、 73歳のダライ・ラマ法王は健康が大きな懸念となりそれで旅行を中止せざるを得なかった。 彼は強行日程から戻り、チベット人や世界の支持者から絶大なる尊敬を受けてはいるが、自分自身は半ば引退した身であると述べている。 チベット亡命政府議会のカルマ・チョペル報道官は、ダライ・ラマ法王の年齢が政策見直しのひとつの大きな理由であり、この事が状況対応への緊急性を与えているとAFPに語った。さらに中国との対話は行き止まっており、若者層に失望感が増大しているとも語った。 この会合ではチベット内での状況にも注目する事になるだろう。首都ラサに於ける中国支配に対する3月の抗議行動は暴動へと発展し、チベット人が住んでいる他の西部地域にまで広がった。 200人以上のチベット人が中国政府による弾圧により亡くなったとチベット亡命政府は述べている。ダライ・ラマ法王の自治権要求は効果的でなかったことが社会不安の要因でもあると、何人かのチベット人があげている。 フリーチベットの学生組織や、政治犯を中心としたチベット人組織グ・チュ・スム(9-10-3)の会や、影響力のあるチベット青年会議などは独立に賛成している。しかしその様な政策変更はチベット運動を分断化させる恐れがあり、国際支援を失う危険性もある。中国政府の報道官は、「この会合に出席をしようとしている者達は、中国人の大多数を代表している訳ではなく、それらの分離主義者の試みはうまくいかないであろう」とはねつけた。ダライ・ラマ法王は『自分の考え方と会議の決定は独立したものである』という事を保証するために、この会議には参加しないであろうと高官は語った。この会合に出席する事になっているサムドン・リンポチェ亡命政府首相は、独立への要求を高めて行く事は公然と議論されるであろうし、この成り行きは人々の見解を我々(亡命政府)に示してくれるであろうと語り、我々は傾聴者の役目を果たすつもりだと述べた。(後略)

【支持グループの特別会合がハリヤナで開催】
       12月2日(水)/パンジャブ・ニュースライン
  TSG(チベット・サポートグループ)による特別会合がハリヤナ州のグルガオンで開かれ、活動への強い呼びかけ、チベットに対する中国政府の非妥協的な取り組みへの非難、そして危機に際してのチベット人の団結の意思表示を採択し、12月2日(火)閉幕した。チベット問題では中核を担っているサポートグループTSG特別国際会議が召集され、チベット支持者に対し、チベット人の根源的な大志の実現に向けて、一番可能性のある道を指導部へ提案する様、ダライ・ラマ法王が要請した。 この会合はチベット亡命政府があるダラムサラで11月17−22日まで行われたチベット人特別全体会議を受けて開催された。開会は、先ずチベットで無くなった人々、特に2008年3月の蜂起以降に無くなった人々、及びこの間のムンバイに於けるテロ攻撃により殺された人々に対する黙祷で始まった。 ダライ・ラマ法王代表部の挨拶の後、30以上の国から100人を超える代表が、チベットに於ける残忍な弾圧そして中国政府による侮辱的な宣伝活動により、緊急な必要性の意義を表明した。そして力による目的への遂行、及びチベット人の民族自決権を継続して支持する事に賛同した。 ダライ・ラマ法王に対する侮辱が中国政府の強硬姿勢の中にあり、特に中国当局との話し合いの進展の無さに表れている。参加者は、チベット人がこの運動の新しい枠組みを追求して行く事を支持する誓約をし、11月のダラムサラに於ける特別会合に先立ちダライ・ラマ代表部により正真正銘の自治権への覚書が公表された事を歓迎した。 活発で激しい議論がなされている中、多くの代表が、もしチベットの状況が近い将来本質的な改善が見られず、又中国側から誠実な会合の約束が無いのであれば、独立をも含む中道路線(現状は中国の体制の中で真の自治を求めて行く)を再評価する様チベット亡命政府に強調した。このTSG会議に出席した代表達はチベットにいるチベット人の必要な事と要望を第一に満たすという公約を再確認した。 また、彼らは高原地区で平和的に抵抗しているチベットの人々の勇気に心からの賞賛を送った。抗議とは、中国の侵略により60年近くに渡って醸成された憤りであり、中国支配に対するチベット人の拒絶が限界点に達していることである。意見の相違はあるものの、ダライ・ラマ法王と亡命政府のみがチベット人の利益を代表するものであり、中国政府では無いとのメッセージをチベット人は伝達している。会議では、事実上軍政下にあるチベットの人々が引き続き受けている苦しみと、政治犯や数百人の行方不明者の家族と代表団との連帯に絶大なる関心を表明した。 この会議は、チベット社会からの多様な意見が腹蔵なく議論される機会を与えたチベット人特別全体会議を歓迎した。これは、亡命中のチベットの団体や市民社会を強固にする為に継続されるべき重要で民主的な全体会議であった。亡命先で開催された会議で、中国政府による制限や恐怖という厳しい環境ではあるもののチベットに住むチベット人の見解を確かめる努力がされたと代表団は明記した。 特別全体会議は、チベット人のためのチベットとして3つの行政区(ウツァン、カム、アムド)全体で、民族的、文化的かつ宗教的な同一性を主張することで、チベット高原の全てのチベット人が団結することを再確認した。代表団は21世紀に於いては、世界に尊崇されるチベット仏教の精神的伝統とその文化こそがチベット問題解決に至るもうひとつの方法であると強調した。(中略) チベットは地勢上とてつもなく大切な場所である。代表団は、特にアジアの緊急事として、地球の第3の極としてチベットへの関心を高めねばならない事に同意した。何故なら、アジアの幾つもの大河の源流がチベットにあり、何百万人もの人々に影響を与えるからだ。 2009年3月10日のチベット蜂起50周年記念行事は、さらなる緊張を高める危険がある。

【チベット:中道路線支持の為議会で断食】
       12月3日/UNPO(ブラッセル)
 本日午後記者会見が行われ、ヨーロッパ議会の中の多民族グループは、中国政府との交渉に於いてチベット亡命政府が追求して来た中道路線への再支持を表明した。会見の冒頭でグループの代表トーマス・マンMEPより対話維持の必要性が述べられた。ダライ・ラマ法王のヨーロッパ議会への訪問に合わせ、ヨーロッパ議会で30人以上の議員と500人の官僚により行われた断食は、すばらしい成功を象徴するでき事であった。マン代表は続けて、フランスのサルコジ大統領が12月6日にポーランドのグダニスクでダライ・ラマ法王と会談する事は、EUは北京に屈服しないという事を示す事になるであろうと希望を述べた。 マン代表の発表に呼応しエヴァ・リッケンバーガー氏も、断食が支持されヨーロッパ議会の何人もの議員が召集されたと言う事は、中国政府に送ったメッセージの中でも強固で明白であり、喜ばしい事であると記者団に述べた。リッケンバーガー氏は、8月のオリンピック以来チベット人の状況はより悪くなっており、「チベットの人々は今まで以上に我々の支援を必要としている」と言及した。MEPマルコ・キャパット氏は国際社会が一致してチベット問題に当たる様に催促をした。 国際社会が中立でいる事が出来ない状況下では,総括をするとチベット・中国どちらに於いても人権尊重を支持するという方向で立場を明らかにしなければならない。質疑応答がなされる前、ヨーロッパ議会副議長マクミリアン・スコットMEPは1996年の訪中とその結果として起こった中国官憲による彼と会見した人々の拘禁を回想し、断食のタイミングはそれ故大変意義深いものであり、EUが中国政府に対し引き続き圧力を掛け続けるという明確な政治意識を持つという事は、非常に重要な事であると信じていると語った。記者団の質問に答えて多民族グループの議員は、断食は非常に重要な合図であり中国当局者が注意を払うべきものの1つであるとの信念を述べた。キャパット氏は、断食は中国人にとって重要な意味を持つものであり、北京がEU・中国サミットを中止した事自体北京が重きを置いている象徴的な行為の証拠であると述べた。

【ダライ・ラマ法王:チベットには中国が必要】
       12月9日/インド・チベット・コーディネイション・オフィス
ダライ・ラマ法王は、チベットが中国の一部として残る事がチベットの利益になる事であると信じているとヨーロッパ議会で述べた。 このチベット仏教指導者はヨーロッパ歴訪中12月4日(木)議会で演説し、中国は600万人のチベット人に近代化と経済的繁栄をもたらしたと述べると共に中国による人権侵害を非難し、チベットには自治が必要だと述べた。「我々の運動は分離主義者のものとは違う。中国のような大国内に留まるという事は我々自身の利益になる事であり、我々は分裂主義者ではない」と述べた。 ダライ・ラマ14世は、テンジン・ギャツォとして生まれ、信徒たちは前任者13世の生まれ変わりと信じている。1950年の中国による侵略以前はチベットの精神的な指導者で現世の支配者であったが、中国の侵略後に即位した為その支配を実施する事は無かった。 法王は1950年以降長期の異境生活を送っているが、中国国営新聞新華社は誌上で、ダラ イ・ラマ法王はチベットに神人融合を復興させようとしていると非難している。フランス大統領が今週末ポーランドでダライ・ラマ法王と会談する事を計画しており、中国国内で幾つかの抗議行動があった。)

【インドのチベット人支持者達は占領下のチベットに於ける人権を要求】
       12月3日/UNPO(ブラッセル)
 チベット支持グループは、国際人権の日の12月10日午後3時より5時までダーマでの座り込みとニュー・デリーのジャンター・マンターにて抗議行動を行う。政府による特に占領下のチベットに於ける中国保安部による人権侵害を糾弾して、同様な抗議行動と市内行進がインドの他の地域でも行われる。この抗議行動はインドに於けるチベット支持グループの傘下組織であるCGTC(Core Group for Tibetan Cause)により組織される。ニュー・デリーでの抗議行動に参加する主な組織の中にはTibet Friendship Society, Bharat Tibbat Sahyog Manch, Himalaya Committee for Action on Tibet, Friends of Tibet, Students for a Free Tibet, Himalayan Parivar and Youth Liberation Front for Tibet.が含まれている。 北京を2008年オリンピックの開催地と選ぶに際し、種々の国際機関が特にオリンピック委員会はこの決定は中国に於ける人権侵害の状況を改善するべく中国政府を勇気付けるであろうと保証していた。しかし悲しい事に北京オリンピックの後は中国占領下のチベット内部での人権侵害はより悪くなっている。

【ダライ・ラマ法王歓迎される】
       12月10日/チャイナポスト(台北)
 北京がやっきとなっている中、ポーランドのグダンスクでのノーベル賞受賞者の集まりで、ニコラス・サルコジ大統領は12月6日(土)ダライ・ラマ法王と会見した。中国は、もしこの会見が行われれば数十億ドルに及ぶ中仏2国間の貿易に悪影響を及ぼすと警告していた。 北京は先週、現在のEU議長国であるフランス主催の中仏サミットへの出席を中止した。サルコジは6ヶ月毎に交代するEU議長国の中で唯一ダライ・ラマ法王と会見をするヨーロッパ首脳である。「私は仏大統領として又EU議長として自由である。私には価値判断と確信がある。世界には国際政治に参加する開かれた中国が必要であり、一方中国には中国企業に仕事を与える事が出来る力強いヨーロッパが必要である。」とサルコジは述べた。 ポーランド議会での短い演説の中で、ダライ・ラマ法王は明確な政治方針を示し、争いの解決には対話が必要だと述べた。一方、馬英九総統は、当を得た時期であればダライ・ラマの訪問を歓迎すると述べた。馬氏は1997年と2001年の2度ダライ・ラマ法王の台湾訪問を歓迎した事がある。

【チベットで拷問が広範囲に日常化】
       12月10日/ロイター(北京)
 中国の不穏なチベット地区で拷問が広がり、日常化している、官憲はそれを防げるどころか、適切な法的保護を頻繁に無視していると、12月10日(水)新しい報告書は述べている。拘留者が釈放される事はあっても、受けた傷で死亡したり、精神的、肉体的に一生涯傷跡を残す事になろうが治療を受ける余裕など無く、もしくは治療を全く受けられない、とフリーチベットグループは述べた。 「拷問は極めて限られたケースであると中国政府は主張しているが、証拠は全く反対の事を示しており、チベット人を鎮静化させる為に中国政府は拷問の使用を許可している事に疑いは無い」とフリーチベット理事のステファニー・ブリッゲンは言う。これに対する説明の要求に中国外務省は直ちに返答せず、また、チベット自治区ラサにある中国報道部への電話には応答が無かった。 1950年中国軍がチベットに進軍しその後、中国支配に抵抗する蜂起に失敗しダライ・ラマ法王は1959年国外に逃れ長期に渡る異境生活を送る事となった。今年初め、チベットの遠隔山岳地域が中国に反対する抗議者により封鎖され、中国はダライ・ラマ法王に分離主義者の烙印を押し非難した。ダライ・ラマ法王は繰り返し非難を否定した。 フリーチベットは、抗議行動の後、中国の甘粛省、青海省や四川省のチベット人地区にまで広がり、拘留された人々への数え切れない拷問を特定したと発表。甘粛省にあるラブラン寺の僧ジグメ・ギャツォは拘留中に受けた傷がもとで一ヶ月も入院を余儀なくされた。その僧は「彼らは私を何時間もロープで天井から吊り下げ、顔や胸、背中をげんこつで殴った。一度気を失い病院に運ばれたが、意識を回復すると同時に拘留所に戻され、再び天井から吊るされ殴られた」と報告している。(Ben Blanchard)

【チベット人、ダライ・ラマ法王の19回目のノーベル受賞記念日を祝う】
       12月10日/ANI (ダラムサラ)
 本日ダラムサラで亡命生活をしているチベット人は、1989年ダライ・ラマ法王が受けたノーベル賞受賞の19回目の記念日を祝った。

【台湾はダライ・ラマの訪台を歓迎すべき】
       12月9日/台湾ニュース
 再選された国民党の馬英九総統は12月3日(水)外国人記者団に、ダライ・ラマ法王の訪台は『時期的に適切ではない』、明らかに中華人民共和国の権威主義者層を怒らせるおそれがあると述べた。 その後、台湾の人権団体の抗議や、立法院院長 王金平の反対、民進党がダライ・ラマ法王に独自の招待状を出す決定をした事などを踏まえ、前言を撤回したが、この発言は、一民主国の指導者として持たねばならない政治的知恵と道徳的勇気が馬には欠如している、という事を再び露呈させた。 我々は、他のアジアの国、例えば香港やシンガポールの様な政治体制の国の首脳がその様な発言をしたとしても特に驚きはしないが、2300万人(より正確には1300万の市民のうち760万人が3月22日に投票)の台湾の人々により選ばれた総統の口からその様な発言がなされるとは唖然とせざるをえない。しかもこの発言が馬政府の国防チームより提出された可能性がある事は憂慮すべきである。又さらに憂慮すべきは、北京が国民党政府に(たぶん中国共産党KMT会議を通じて)この様な立場を取る様示唆し、その命令に馬政権は敢えて挑戦しなかったのではないか。(中略) 台北の大安森林公園で世界人権宣言60回記念日を祝って水曜日に行われたチベット自由コンサート台湾に参列した台湾国民は、チベットの人々、および彼らの亡命指導者の訪問に対し支持を表明した。
                    ( 訳 : ケーサン・ドルカー / チベット文化研究所 )