ワールド・チベット・ニュース   2007年4月・5月・6月 第9号
カナダのワールド・チベットニュース(WTN)のご厚意によりご了承をいただき、その一部を転載しています
【テロ集団、ダライ・ラマ法王に警告を発する】     
       4月3日/The Australian
   ダライ・ラマ法王の周囲では、アルカイダにつながっているLashkar-e-Toiba というテロ集団がチベットの精神的指導者の暗殺を企てているという情報が流れ、より警備を厳しくしている。ヒマラヤ山麓のダラムサラに住む72歳の仏教最高指導者に、3列にも及ぶセキュリティーシステムが布かれた、とインドの警察スポークスマン、プレム・ラルが語った。チベットから亡命した最高責任者は、重装備を施したインド警察と共に非常に訓練されたチベットの警備員に取り囲まれている。訪問者は法王に謁見する前にボディーチェックを受ける。 ダライ・ラマ法王は6月の初めオーストラリアを縦断し、都市や地域センターを廻って一般講演(無料・有料)や法話をするため11日間の訪問が予定されており、大変危惧されている。その前には、米国訪問もある。  ラル警察署長によると警察は中央情報部からの情報で、Lashkar-e-Toibaはアルカイダの名は伏せるがつながりを匂わせる外国のグループでダライ・ラマ法王暗殺の陰謀を企てた、と伝えられた。 最近の文書によると、ウサマ・ビンラディンはイスラム教以外何にでも攻撃するそのひとつとして、「異教徒である仏教徒」を非難したもよう。Lashkar-e-Toibaは南アジアでのアルカイダのエージェントであると信じられ、インドでは実際にあらゆる大きなテロ攻撃に関与していた。 (後略)

【来年チベットに5つ星ホテル誕生】 
       5月1日/The Hindu
   遠いヒマラヤの地ラサへの観光ブームの見通しを利用し、中国政府はチベットの首都に国際的なハイランクホテルの建設をしている。来年暮れにオープン予定のST.レギスホテルはスターウッドホテルとリゾート・ワールドワイド社により管理される予定。ラサ・ユンガオ国際ホテル社は175室のホテル建設を4月27日より開始した。ユンガオ社の副支配人である漢Jingshanによると、ラサのSt.レギスホテルは国際的5つ星クラスで、中国の広大な西部地区(チベットを含む新疆や青海)では初めての5つ星ホテルになる。宿泊料金は一泊およそUS400ドルであると漢が述べたことを新華社通信が伝えた。(後略)    

【アン・バンクロフトがチベット映画祭でスピーチ】
        5月8日/St. Paul Asian American Press
 (ミネアポリス発) リム財団はミネアポリスにあるリバービュー劇場において、5月10日(木)から13日(土)まで開かれる2007年ツイン・シティー チベット映画祭のスポンサーを務めることになった。 特別ゲスは、女優のアン・バンクロフト、チベットの高僧ケンポ・シェラブ・サンポ師とミネソタ大学精神医学部のミリアム・キャメロン博士など。  映画祭では、「チベットにかかる金剛の空」「エベレストの娘」「ミラレパ物語(魔術師、殺人者、聖者として)」など時代を超え、精神的で文化的な伝統や、問題を抱えた政治史(ダライ・ラマ法王への10の質問を含む)などを検証している厳選された10本の映画を初公開する予定だ。  初日は案内人のアン・バンクロフトがゲストとして現れ「エベレストの娘」を紹介、チベット文化における個人的な興味も語った。  上映後リバービュー劇場で開催されるレセプションでは、ワインと食事が無料で提供される。

【カトマンズで初のチベット語ラジオ放送開始】
       5月26日/ペイユル
 カトマンズには28のFMラジオ局が、ニュースやさまざまなプログラムを放送しているが、今までチベット語でのラジオプログラムは一つもなかった。 近年ネパールの首都カトマンズでは、チベット人とチベッタン・ソングを愛好する人達のために、1週間に1時間チベットの歌番組『タシデレ(こんにちは)カトマンズ』の放送にこぎ着けた。  今年4月8日より、96.8 FM でThe Voice of Youth(若者の声) は毎週日曜日午後1〜2時の間、ニュースとチベットの音楽や歌などさまざまなプログラム放送を始めた。これはネパールでのチベット語放送としては初めての試みであり、今ではチベット音楽の全てのジャンルをラジオで楽しる。(中略)  現在その局では若者の希望にあわせ、14の異なる民族や外国語でのプログラムを放送している。タシデレ・カトマンズは聴取者からの反応も良く、順調な滑り出しを見せている、と局のクマール氏は述べた。 また、ツェタン(キャスター)によるとチベット語プログラムの中には一般参加番組もすでに組み込まれる予定で、聴取者は電話をしてゴシップ話に参加が出来る。

【10月にミスチベットのイベント開催】
       6月2日/IANS(ダラムサラ発)
2007年ミスチベット美人コンテストが10月12日から14日の日程で開催される。主催者の代表ロブサン・ワンギャルによると、コンテスト申込は6月30日まで。申請者はチベット亡命政府に税金(グリンカード保持者)を払っていること、18歳から26歳までの独身者で、背丈が165cm以上のこと。このイベントは毎年開かれている。インドには精神的指導者ダライ・ラマ法王とその亡命政府があり、10万人が暮らしている。

【オーストラリアはダライ・ラマ法王訪問を批判する中国を拒否】
       6月13日/VOA News
 オーストラリア外相は中国がチベットの精神的指導者ダライ・ラマ法王のオーストラリア訪問批判を吹き飛ばした。アレクサンダー・ダウナー外相は、水曜日に、キャンベラ市はダライ・ラマ法王をすばらしい宗教者と見ており、中国にオーストラリアの政治制度を尊重するよう主張、オーストラリアはいつでもダライ・ラマ法王の訪問を歓迎すると述べた。 火曜日に中国はオーストラリア訪問を非難、法王はチベットを中国の支配から分離させる活動をしている、と繰り返した。 オーストラリアの首相ジョン・ハワードは71歳になる精神的仏教指導者金曜日に会うことを承諾。ダライ・ラマ法王は、火曜日の夕方にオーストラリアの野党指導者ケビン・ラッドにも会った。 チベットの精神的指導者はこの11日間のオーストラリア訪問を人的及び宗教的な調和を促進できたと評価。
                    ( 訳 : ケーサン・ドルカー / チベット文化研究所 )