ワールド・チベット・ニュース 2007年1月・2月・3月 第8号 |
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カナダのワールド・チベットニュース(WTN)のご厚意によりご了承をいただき、その一部を転載しています
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【中国はチベット人に特別な祭りを禁止】
1月11日/The Age(メルボルン発)
中国政府はチベットにいる政府職員、共産党員、および学生に教育を強化する必要があるとし、最近行われた仏教祭典に注目し(参加などを)禁止した、とチベット人権擁護のグループが報告した。
国営ラサ・イブニングニュースによると、禁止令は「引退した幹部とスタッフ」にもあてはまり、
チベットの首都にいる「ビジネスや事業に携わっている労働者、および共同体の人々にもおよぶ」
と公表したことをthe International Campaign for Tibet(ICT)がメールで木曜日にロイター通信に明かした。
昨年12月25日にガンデン寺でガチュ 祭
(14世紀に仏教の大師であったツォンカパの死を偲ぶ日)が行われ、その参加への禁止令は「幹部やスタッフなど幅広い人々の教育とガイダンス、および管理を強化する目的」として押しつけたもの、とICTはその夕刊の記事を指し示した。「誰でも皆政府と党委員会の要求には従わねばならない」と。
中国軍は1950年にチベットを占領し、数十年の長きにわたり北京政府はチベット社会を蹂躙してきた。また、寺院を閉鎖し、信仰生活も制限してきた。
中国政府はチベット人自身が彼らの宗教を信仰するのは自由である。が、政府の官僚や公務員はダライ・ラマ(中国政府が分離主義者と呼ぶ亡命しているチベットの法王)の誕生日を含む伝統的な祭りに参加することを禁止している。
【ダライ・ラマ法王のケニヤ訪問を拒否】
1月21日/Nationmedia.com
ケニヤはチベットの精神的な指導者ダライ・ラ マ法王の入国を認めなかった。ダライ・ラマ法王は明日から一週間の非公式な訪問を予定していた。 しかし、ニューデリーのケニヤ大使館からビザを取得できなかった。ムーディー・アオリ副大統領より必要書類を提出すればビザが下りると確約されていたにもかかわらず、取得できなかった。政治、精神的チベットの指導者がケニヤ訪問を絶たれたのはこれで二度目。(後略)
【鉄道がチベットにエイズや失業者をもたらす、とダライ・ラマ法王】
1月31日/Krittivas Mukherjee
ダライ・ラマ法王は水曜日、新設のチベット鉄道はチベットに、娼婦、および失業者を蔓延させチベットの文化と伝統を破壊する、と北京を非難した。
「鉄道を敷くことは本当に脅威です」と1959年中国の侵略を受け、決起後にチベットからインドへ亡命を果たした精神的指導者は言う。
「中国本土で仕事を得られない者もラサを目指すでしょう。その数は途方も無く多いでしょう」とインドのムンバイで開かれた宗教者会議で語った。
全長1142キロの鉄道は去年7月に開設した。世界の最高地にあり、海抜五千メートルもの高度を通過し、チベットの絶景である氷の峰々を駆け抜けていく。
北京政府は中国の西にある青海からチベットの首都ラサまでは13時間で結ばれており、長い間孤立していた地方へ経済および社会的な開発をもたらすのである、と述べている。
しかし、インドに住むチベットの亡命者(約八
万人)は、鉄道は『二度目の侵略』であり、単に中国人の移住を加速させ、チベット文化を希薄にし、その地を軍事化するだけと言う。
ダライ・ラマ法王は、北京政府が貧しい村民のチベット移住を強制しており、ラサで『売春させる』ため、田園地方から無教育の若い女の子をも行かせている、と語った。
「したがって、これはAIDSの脅威を助長させているだけです」とも述べた。
ダライ・ラマ法王は「チベットの伝統文化を破壊するのみでなく、鉄道はあの高地で中国の採鉱の手助けになり、環境にも脅威となります。我々は鉄道が敷かれたことによる環境への影響を非常に危惧しております」と述べた。
【ギアがチベットを応援】
2月13日/AP(ベルリン発)
リチャード・ギアは昨日ヨーロッパ連合とG8代表の地位にいるドイツに対し、中国の人権記録とチベット問題に圧力をかけるよう強く主張した。ギアは長年チベット問題を支持しており、ドイツにとってこの二つの会議の代表であるという素晴らしい機会に、この問題を前進させるべきである、と記者会見で要請した。
「これはすばらしい可能性を秘めた瞬間であり・・・・・単に罰するのではなく中国を現代社会の仲間入りをさせる手伝いにもなる」と述べた。
【チベット観光、春節期間中もブーム続く】
2月22日・ CRI
チベット族の新年と漢族の春節を迎える日が今年は重なった上に、青海チベット鉄道の全線開通もあり、観光の閑散期である春節期間中にも、多くの観光客がチベットを訪れている。
情報によると、例年この時期はラサのホテルの宿泊率は50%以下だが、今年は80%にも及んでいる。ここ数日、中国大陸、それに韓国、オランダや日本などから観光客が次々とチベットを訪れている。
チベット自治区観光局の統計データによると、青海チベット鉄道が全線開通された2006年
7月1日から12月31日までの間に、チベット
を訪れた国内外の観光客は192万人で、一昨年の同じ時期と比べて5割以上も増加したという。
【仏大統領選候補者、北京オリンピックボイコットを掲げる】
3月23日/Tenam(パリ発)
来月行われる仏大統領選トップ・スリー候補者の1人、フランソワ・バイルー氏は、フランスが2008年の北京オリンピックをボイコットしなければならないとしている。今週始めダルフール反対集会で「大量虐殺というこの悲劇を止める何よりも簡単な方法です」とバイルー氏が語った。 「もしその悲劇を止められないなら、フランスは2008年の北京オリンピックへは行くべきではない」とも述べた。バイルー氏は2005年個人的にダルフール(スーダン西部の州)を訪問している。 今週初めUDF(中道)の大統領候補バイルー氏は選挙本部でフランスのチベットコミュニティーの代表ツプテン・ギャツォと45分間面会し、最近のチベット情勢の説明を受けた。 フランスで初の女性大統領との呼び声高いロワイヤル女史(社会党左派)もその集会でフランス及び国際団体が夏季オリンピックの前にスーダン並びに北京に圧力をかけるようにと述べた。 チベット人並びにフランスのチベットサポートグループの手紙に対し、ロワイヤル女史は チベットの人権問題を取り上げ、また今年初め中国を訪問した際、チベットの自治に関する問題に対しダライ・ラマ法王との直接対話の必要性を述べた。 今日チベット問題はフランス国民議会では大きく取り上げられている。チベット研究グループには派閥を越え多くの国会議員が名を連ねる。2005年には、3月10日(決起記念日)、その他の記念日に、チベットの国旗掲揚運動をおこし、多くの自治体と州議会を通過させた。 (後略)
( 訳 : ケーサン・ドルカー / チベット文化研究所 )
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